用語委員会
以下は、前用語委員会委員長・担当理事を担われていた尾川 浩一先生の巻頭言を元に加筆・修正を行ったものである。
日本医学放射線学会物理部会による「医学物理用語集」(第1版1989年、第2版1990年)は、用語委員会の稲田哲雄委員長をはじめとする多くの委員ならびに西村克之担当幹事の精力的な活動によってできあがったものである。第1版、第2版の「医学物理用語集」は収録する用語数を 5,000語以内に抑え、放射線医学を中心とした医学物理関連用語をコンパクトに網羅した構成であった。その後10年以上を経た2001年、この間の医学物理工学分野では様々な研究・開発の進歩に伴い、用語の変遷も大きく、「医学物理用語集」の改訂が日本医学物理学会の理事会で決定された。2002年に着手した改訂作業は、用語委員会による第2版の用語に対しての取捨の作業から始まった。情報、治療、物理、測定、診断、防護の6分野の小委員会に分かれ、用語の吟味、新しい用語の追加などの作業が行われ、さらにそれらの用語を合体させた暫定版の用語集について6名の用語委員会委員による検討が行われた。8,000を上回る語を一語ずつ吟味し、取捨の決定や正確な英訳の決定、あるいは正しい用語に誘導するような作業が行われた。改訂作業に5年という歳月をかけ、最新の医学物理・工学ならびに関連する情報分野において十分に活用できる内容となった。
前用語委員会委員長・担当理事の尾川 浩一先生が方向づけされた「医学物理用語集」では、用語に対する関連分野を記し、医学物理・工学関連の研究、教育者が論文の作成や講読、学生教育などのさまざまなシーンで活用して頂けるような工夫がなされた。その後、有村 秀孝先生が委員長を担われ、現在は隅田 伊織が諸先輩方の多大なご尽力で作成された成果を受け継ぎ、新用語の精査を含め維持管理している。また、日本医学物理学会用語委員会の国際活動として、EMITEL(European medical imaging technology e-Encyclopaedia for lifelong learning)を元としたMultilingual Medical Physics Dictionaryにおける英日用語の更新に向けた協力依頼が2017年9月にSlavik Tabakov先生からあり、163語の追加を行った。
用語に対する語彙の用い方や概念は研究者間で共通しておくべきものである。それによって分野の異なる研究者間で意識統一ができ学問の発展へ繋がる。最後に現用語委員会委員ならびに医学物理用語集の基盤を築かれた諸先生方に感謝の意を込めて記載した。
日本医学物理学会 用語委員会
委員長、担当理事 隅田 伊織
日本医学物理学会 用語委員会 委員一覧
- 委員長 隅田伊織
- 秋田和彦
- 阿部慎司
- 有村秀孝
- 上田悦弘
- 奥村雅彦
- 小田倫生
- 株木重人
- 木藤哲史
- 佐藤智春
- 高津淳
- 田ノ岡征雄
- 田村昌也
- 津藤真司
- 南部秀和
- 布施拓
- 馬込大貴
- 茂木佳菜
- 門前一
- 矢田隆一
- 山田幸子
用語委員会の基礎を築かれた用語委員会 委員一覧
- 委員長 尾川浩一
- 副委員長 佐方周防
- 小委員長 今村惠子
- 小委員長 齋藤秀敏
- 小委員長 西村克之
- 小委員長 西澤かな枝
- 前担当理事 加藤二久
- 情報分野(小委員長 尾川浩一)
- 委員 小寺吉衛
- 鈴木茂人
- 長谷川智之
- 原田康雄
- 藤田広志
- 松本政典
- 村山秀雄
- 治療分野(小委員長 佐方周防)
- 委員 内山幸男
- 大谷浩樹
- 垣花泰政
- 国枝悦夫
- 山口悟司
- 物理分野(小委員長 今村惠子)
- 委員 江原範重
- 大喜雅文
- 加藤博和
- 金澤光隆
- 古林 徹
- 豊福不可依
- 本間一弘
- 測定分野(小委員長 齋藤秀敏)
- 委員 高橋 豊
- 福村明史
- 藤崎達也
- 診断分野(小委員長 西村克之)
- 委員 阿部慎司
- 今村惠子
- 尾川浩一
- 椎名 毅
- 本間一弘
- 森 浩一
- 松本政雄
- 村山秀雄
- 防護分野(小委員長 西澤かな枝)
- 委員 赤羽恵一
- 岩井一男
- 岩波 茂
- 西澤邦秀
- 速水昭宗
- 松本雅紀
- 八木浩史
- 山口 寛
- (五十音順)